「今日の都心は、一日気温が低く、北風がびゅーびゅー吹くので、体感気温は氷点下かも」という朝の天気予報。今日も外出の予定で、寒さ対策もばっちり仕込んだのだが、あいにく、すべての外出予定がキャンセルとなり、一日オフィスで過ごした(今年初めて)。
Twitter のタイムラインを眺めていると、
MIT Media Lab @Tokyo 2013 の文字がちらほらと出てきたので、クリックするとちょうど北野宏明氏のプレゼンが始まったところであった。HAL、Deep Blue、Robo Cupなど聞き慣れた言葉がいろいろ出てきたのでついつい聞いて(いや見て)しまった。Robo Cup も初期の頃しか知らないが、最近は本当に人間との対戦も可能になっているそうだ。30年後に本当にWorld Cup でロボットチームが出てくるかも、そんな期待をさせるプレゼンであった。
その次は茂木健一郎さんだったが、英語のマシンガントークに加えて、時折はさむブラックなジョークはスルー。
そして、その次のプレゼンがまた面白かった。理化学研究所の藤井直敬氏。「代替現実(Substitutional Reality:SR)」というシステムの紹介。ARとかVRという言葉は知っていたが、SRというのは初めて聞いた概念(無知バレバレか)。SRが何かは
ここに詳しい説明がある。難しいことは正直まだわからないが、現実を現実でないもの(つまりは過去)に脳の中ですり替える技術と理解した。「現実って何ですか?」という問いに対して藤井氏曰く「今、見ていること感じていること考えていること」なのだそうだ。わかったようなわからないような。
でも、プレゼンの中で流していた実験の様子を見るとなるほどと思う。カメラを通じて見ている現実を、ちょっとだけ過去の映像に差し替えると、人間の脳はどれが「今」なのかわからなくなってしまう(つまり、過去の映像を現実と考えてしまう)。しかし、差し替える映像に自分自身が入っていたら、当然ながらパニックを起こす。夢じゃないかって。そして、今を確認するために、自分の手を見て安心するらしい。タイムマシンとか、昔の自分に会えたらなんて、映画やテレビではよくあるシナリオだが、それを身近に体験できることになるのだろう。
SRはエンタメ、ゲームなどおもしろい事例もあるようだ。映像を限りなく線画に近づけると、2次元の世界(つまりはアニメ)に近づくそうで、アニメキャラといっしょに過ごす(そういえば、
スペースジャムなんていう映画があったなあ)ことも夢ではないらしい。
簡単な方法で、SRが身近に体験できたとき、人々はどんな反応を示すのかな。う〜ん、自分だったら、それまでの心地よい状態をずっと記録しておいて、その中にずっと浸っているに違いない。まあ、その結果は堕落する一方だけど。しかし、その時はきっと厳しい現実にすぐに引き戻されるだろうなあ。