2013年12月11日水曜日

ゲームによるビジネス体験

12月7、8日、仙台で開催された日本シミュレーション&ゲーミング学会の秋季大会に参加した。会場は東北大学青葉台キャンパスにある情報科学研究棟。最も奥地にあるビルの一画で行われた。

仙台は最近ちょくちょく来ているのだが東北大学は実に20数年ぶり。その当時の記憶はほとんどない。震災で多くの建物が壊れてしまい、新たにできたものもの含め、あちこちで研究棟の建設が行われていた。



さて、通称、JASAGと呼ばれるこの学会。お誘いもあっての初参加であったが、これまで参加してきたコンピュータサイエンス系の学会とはまた異質なものであった。

今回の大会テーマは「アナログゲームとデジタルゲーム、2つのゲームに架け橋を」ということであったが、印象に残ったことをまとめてみたい。

体験セッション
体験セッションと称するアナログのビジネスゲームに参加した。2-3名を単位とする10チームが部品から最終製品(ここではミキサー)を完成させ、それを販売して、利益を競い合うというもの。各チームは仕入、製造、販売価格が定められており、他のチームと競いつつも協力しあってお互いの利益を増やしていかなければならない。また、一定量の販売を求められている。つまり、ある程度の市場をまずは作り、その上で利益追求をするという現実のビジネスに近いことが体験できるわけだ。ルールはいたって単純で、どのチームと組み、相手をどう説得するかを制限時間内に考えて実行すればよい。コツというか変に考え込まずに基本に立ち返って考えれば、なんて事はないのだが、そこは人間。いろいろと考えてしまう。以前、とある企業のオーナーの前でプレゼンをしたことを思い出した。「ビジネスはシンプルにすることだよ」と。

結果、自分のチームはその基本に気づくのが遅れ、あまり利益を上げることができなかった。しかし、この体験セッションは他の学会でやってもウケるのではなかろうか。



アイスブレイク
体験セッションで、アイスブレイク(チームメイトと打ち解けること)のワザを一つ教えてもらった。相手が言った事よりも「好きなこと・もの」を相手に紹介するのである。「●●よりも、私は■■が好きです」「■■よりも、私は▲▲が好きです」というように、時間の限り言い合うのである。これで、相手がどんな人物なのがある程度わかるという。これも他で使えそう。

学生も訓練で社会人に勝る
ゲーミングの考え方を企業研修等に取り入れている東北大の先生(浜田先生)の発表がおもしろかった。BASE起業教育プロジェクトという活動ではビジネスゲームを通じて訓練された学生が時には企業研修の講師として活躍するケースもしばしばあるという。決して稀なことではないらしい。ゲームとはいえビジネスを行うための基礎を徹底的に叩き込まれた学生と、確かに働いているとはいえ、ビジネスのほんの一部しか経験した事のない社会人のどちらがデキるかと言われると自ずと答えは明らかではある。浜田先生自身は日本を離れてタイの大学に移籍するとの事。また、機会があればいろいろと話を聞きたい方である。

アナログゲームの面白さ
ボードゲームはアナログゲームの代表格だが、単純すぎず複雑すぎない、ビジネスの本質を学ぶことに絞り込むためのルールをどのように作るかがゲーム作りの魅力だという。ここで重要な考え方が「割り切る」ということだそうだ。ビジネスはシンプルにではないが、どこかで割り切って物事を進めることは確かに大切なことだ。教科書に書かれたことを一からまじめにやらないとダメ的な発想はここでは通用しない。

最後に、東北大ならでは?のポスターを発見。



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