「数々の危機を乗り越え、開発と運用が一体となったチーム体制「DevOps」が生まれていく痛快IT物語。」(内容紹介より)
3000人規模の(仮想)会社の正義の味方、IT運用部長の波瀾万丈、ハッピーエンドで締めくくられたドラマ仕立ての一冊というのが読み終わった後の感想である。それにしても、よくぞここまで「危機」が重なるものだと思いつつ、読み進むに連れて他人事とは思えない内容もあり、「もし自分だったらどうしただろう」と登場人物に重ね合わせることもしばしば。
たまにIT用語が出てくる程度で、技術的な内容はどちらかというと少ない。
「プロジェクトの成功に欠かせない「4つの仕事」と「3つの道」を見つけるように言い渡される。」(内容紹介より)
IT運用が本書のテーマになっているが、実はプロジェクトと呼べるものなら、それが仕事でも趣味でも日常生活の中の人間の活動すべてに当てはまることなのかもしれない。時間に追われ、仕事に追われというスリルを味わうことも時にはあってもいいが、平穏無事に(というか自分でコントロールできる)いられることはとても大切だと思う。
ところで、ビル、ステーブ、サラ、ウェス、ブレント、エリック・・・・登場人物が多くて、これ誰だっけ?なんてことも当初はあり、その度に巻頭の人物相関図にお世話になった。こういう視覚に訴える情報は重要。似顔絵があるともっとわかりやすいかな。そう考えると、文中にもっと図表が出てきてもいい気もした。というか、いずれ映画なりテレビドラマにでもなるのかもしれないなあ。すでに進行していたりして・・・・
原著はこちら:「The Phoenix Project: A Novel About IT, DevOps, and Helping Your Business Win」。一時期Kindle版が、1ドルを切っていたので、思わずポチってしまった。