樺沢紫苑著、「アウトプット大全」読了。
「アウトプットの方法を間違えると自己成長はしない。」とあるように、知識だけを詰め込んでもそれを活かす=アウトプットしないと意味はないことを医学的、科学的な知見も交えて解説した本である。
なんとなくタイトルに惹かれて買ったのだが、聞く、読むというインプットに対して、話す、書くというアウトプットの手段が細かく整理されている。見開き2ページでポイントが整理されている点も著者の意図らしく、心地よく読み進められる構成となっている。
個人的に気に入った章は以下の通り。
- 08雑談する
- 長く話よりちょこちょこと話す。接触回数が増えるほど人の好感度は高くなるという「ザイオンス効果」。一気に自分の意見をまくし立てると反感を買うが、他愛もないことだけど、とりあえず声をかけることを繰り返していくことが大事という。なんでもいいから雑談することが人間関係を円滑にするという理論。
- 27営業する
- 売り込むのではなく価値を伝えることの大切さ。価値、ベネフィットが伝われば、値段が少々高くても、売れるものは売れる。価値>価格ということ。価値が無いから、結局は価格競争に陥るのだという主張はごもっともである。
- 68やってみる
- 「人生に失敗なし」というところもだが、うまくいかなかったこと、不本意な結果は失敗ではなく「エラー」としてとらえて、そのエラーの原因をつきとめて、解決すれば良いだけのこと。失敗をエラーと見立てるところが面白い。金を出してもエラーを求めよとは書かれてはいないが、トライ&エラーが成功の鍵。
- 70決断する
- 迷ったらワクワクする方を5秒で選びなさいと。ファーストチェス理論では、「5秒で考えた手」と「30分かけて考えた手」は、実際のところ86%が同じ手であることが実証されているという。つまり、直感を信じよということか。
これ以外にもすぐにでも実践できそうな、メールは読んだら5分以内に返事を出すべしとか笑顔を絶やさない、ユーザー辞書登録を使い倒せなど、すぐにでも実践できることも書かれている。
見て、聞いたら、書き留めて、話をしていく・・・それが成長の源となる。
Kindle版でなく、単行本として購入したのは正解だった。
読後感、大満足の一冊であった。
さて、次の一冊は。